三年前、初めてプチトマトの苗を買って裏庭に植えました。
友人がマンションのベランダで鉢植えで育ててるのを、その前の年に見たんです。
50センチほどの背丈のだった友人のプチトマト。
鮮やかな緑の間からなんともかわいい赤い実が、
プルプルとはじけそうなほどに踊っていたんです。
『ほしいっ、私もこんなの育てたい』
心の中はそんな思いでいっぱいになり……。
でも、その年はもう植えるには遅すぎて。
そして次の年、苗が出回るのを心待ちにして、ついに植えたんです。
夢見たプルプルのかわいい赤い実をつける私だけのプチトマトを。
土壌を掘り返し、土の配合もオッケー。
育ってきたときにくくり付ける支え棒も用意して、
毎日の水遣りには話しかけ、周囲の雑草に
栄養を持っていかれないように草ぬきもして。
そのせいか、私のプチトマトはスクスクと育っていきました。
かわいい小さな黄色いお花も付けました。
緑の赤ちゃんトマトも頭をのぞかせました。
やがて育ったプチトマトは赤く色ずいて、
私の期待通りプルプルとはじけんばかりに踊ってくれました。
植木じゃなくて裏庭に直接植えたから、背丈も友人のとは違います。
幅広く葉を広げ、太陽に向かってスクスクと自由気ままに育ちます。
夏にはそれこそ毎日食べきれないほど
たくさんの実をつけて、私は満足のいたりでした。
そうして夏も終わり木枯らしが舞う秋がやってきて……
でも、なぜか私のプチトマト、実をつけ続けていたんです。
夏ほどではありませんが、それでも毎日いくつかの色づく赤い実が……。
さすがに冬が近づいたころには実はつけなくなりましたが。
そして次の年、主人が新しく花を植えるため
処分したプチトマトは根元が木になっていたそうです。
もちろん背丈はうちの三階の高さにまで達していました。
私の期待に応えすぎるほどに育ちすぎたプチトマト。
私は一言あなたに言いたいです。ありがとう…って。
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