ほうれん草は、寒さに晒すことで甘みが増し、美味しくなります。
そういったほうれん草の性質のため、少し前までは、
ほうれん草は、冬の野菜として、冬にしか食べられない野菜でした。
しかし、今は、1年中、ほうれん草を見掛けます。
これは、どうしてなのでしょうか?
少し時代は遡りますが、ほうれん草の原産地は、カスピ海沿岸。
ほうれん草に近い野生種が2種類自生していると言われる地域です。
イランは、日本よりも古くからほうれん草の栽培が盛んで、
そこから、アラビア、北アフリカ、スペイン、ヨーロッパ全土に。
東は、ネパール、中国へと渡りました。
ヨーロッパで広まったほうれん草は、西洋種と呼ばれるもので、
中国で広まったほうれん草は、東洋種と呼ばれるものです。
日本へはその後、中国より広まったと言われています。
この東洋種は、寒さに晒すことで甘みが増すほうれん草ですが、
西洋種と交配種を作ることで、春や夏の栽培でも、美味しい、
ほうれん草が収穫できるようになったというわけです。
東洋種は、味が良い特徴がありますが、日が長くなると、
花茎が伸び、とう立ちしてしまうデメリットがあります。
同時に、葉が固くなるため、味も落ち、春夏の栽培に不向きとされてきました。
西洋種は、あくが強くて、味は東洋種の方が上だと言われますが、
ヨーロッパでも育てられるよう、とう立ちしにくいほうれん草に改良されています。
この2つを交配したからこそ、今のほうれん草は、春も夏も、
美味しいものが収穫できるようになったのです。
現在、純粋な東洋種は、日本であまり見かけなくなったとも言われます。
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