栽培期間の短いジャガイモは、調理にも非常に使いやすいため、家庭菜園でも人気の野菜として知られます。
そんなジャガイモの栽培のポイントをまとめましたので、紹介します。
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ジャガイモ栽培の土つくりと元肥
ジャガイモの生育適温は、15度-20度。冷涼な気候を好みますが、霜には弱く、当然、暑さにも弱い気温管理の難しい野菜です。
日本は、縦に長い国ですから、北海道と沖縄では、栽培期間が全く異なります。
この栽培期間の選択が、ジャガイモを家庭で上手に育てる、ポイントです。
また、育てる土地の酸度にも気をつけて栽培する必要があります。
ジャガイモは、土壌酸度pH5.0-6.0の弱酸性土壌を好みます。
4.5以下の土地や、7.0以上の土地では上手く育てられませんので、他の野菜から、ジャガイモを育てる時には注意してください。
しかし、基本的には強酸性の土壌でない限りは、石灰などは不要です。石灰をまいてしまうと、土壌がアルカリ性に傾いて、瘡痂病(そうかびょう)になってしまうことがあるので注意が必要です。
ただし、苦土石灰はカルシウム・マグネシウム分でもありますので、5.0‐6.0でも、1平方メートルあたり50グラム程度施すのが理想です。
ジャガイモの生育期間は短いですから、元肥は、緩効性ではなく、速効性の肥料を施し、早く肥料が効くようにしてください。
植え付けの際に作る溝は、60センチ間隔に鍬を使って深さ15センチほどが理想です。そこへ、完熟堆肥・油粕・化成肥料を入れます。
土は5‐6センチ被せて肥料と種芋が触れないのがポイントです。
更に、ジャガイモは連作障害の起こりやすいナス科に属する野菜です。
家庭菜園でも人気のあるトマト、ピーマン、ナスなども同じナス科ですから、数年はそれらを育てていない場所で生育させるように、注意してください。
ジャガイモの種イモの準備と植え付け時期
種芋の準備
ジャガイモは育てる時に、苗や種は使わずに種芋を使用します。
種芋用として市販されている無病いもが販売されているので、そういったものを使うと非常に収穫量も安定します。また、これが病害虫の予防になります。
食用のジャガイモや、家庭菜園で去年作ったジャガイモなどは、消耗しているものでもありますので、思ったような収穫量が望めないことも多いです。
最近はジャガイモの品種も増えました。
特にインターネット通販などでは、ベニアカリ・インカのめざめなど、珍しい品種も出回っています。
もちろん、男爵いもやメークイーンといった定番のジャガイモの品種も
揃っていますので、好みの種芋を探しておくと良いでしょう。
ジャガイモの植え付け
ジャガイモをマルチを使わず育てる場合の適期は、3月終わりです。植え付けの3日前には、種芋の準備を終えておきます。
まず、種芋には上下があります。親芋と繋がっている切り口が下、芽のたくさん付いている部分が上です。
種芋の大きさは、大体30‐50グラム程度のものが理想です。
大きな種芋の場合は、切り分けて使用する方法もあります。
種芋をカットする時は、各片の上に芽を付け、縦にカットしていきます。
切り口は日陰干しして乾燥させてから、植え付けるのがベストです。
(乾燥させる時間のない時には、草木灰を付ける方法もあります。)
植え付けの際は、種芋の切り口の部分を下にして植えます。
こうすることによって、芽の出る部分が上に揃うようになります。
畝幅は60‐70センチ。畝の中央に10‐15センチほどの溝を作り、その部分に種芋を30センチ間隔に植え付けていきます。
また、30センチの間隔の部分には、堆肥300グラム、化成肥料30グラムをまいて、土を埋め、少し低めの畝を作っていきます。
ジャガイモの植え付け後の手入れ
ジャガイモは種イモの芽の部分から主茎が上に伸び、そこから横に伸びた細い地下茎の先端に子イモができます。
種イモの上部に子イモができるのは里芋と同じですがじゃがいもの場合は、光合成によって葉で作られた養分が地下茎を通って子イモにいきわります。
種イモは新しい芽や茎を出すまでは養分を供給しますが葉を茂らせると種イモの役割は終わりです。
種イモの大きさは収穫物には直接は影響しないということです。
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植え付け後に、種芋からは、5本ほどの芽が出てきますが、茎葉が多くなればなるほど、小さなイモばかりになってしまいますので、芽が10センチほどになったら、芽は2‐3本に減らし、他の芽はかき取ります。
この作業は、「芽かき」と呼ばれています。
芽を残して育てれば、たくさんの小さなジャガイモが収穫できます。
芽かきをして育てれば、数は少なくなるものの、立派なジャガイモが収穫できます。
芽かき後は、化成肥料の追肥と、土寄せの作業を行います。
芽かき後は、追肥・土寄せの作業も忘れずに行ってください。
種芋よりも、浅い表面近くにイモができてくるので、土寄せして緑化しないようにする必要があるんです。
花の咲いた頃から、どんどんジャガイモが太り始めますので、化成肥料1平方メートルあたり30グラム程度をまき、中耕して、株元に土寄せの作業を行います。
ジャガイモと言うのは、種芋のある場所よりも浅い位置にイモを作るので、土寄せしなければ、土の表面に現れ、緑化してしまうことがあります。
ジャガイモの収穫のタイミングと保存方法
地上の茎葉が黄色っぽく、枯れ始めたら収穫です。
雨の日に収穫することも出来ますが、腐りやすくなりますので、晴れの日が2‐3日続いたら収穫するようにしてください。
ジャガイモの収穫の際は、イモを切らないように注意してください。
株の根元から、掘り起こすようなイメージで収穫します。
ジャガイモは1つの種イモから2kgほど収穫できます。
たくさん植えて大量に収穫したときは上手に保存しましょう。
保存適温は5℃‐10℃前後で光の当らない涼しいところで保存しましょう。
4℃以下なるとでんぷん質が変質するので冷蔵庫には入れず、新聞紙に包んだり、紙袋などに入れて日の当らない風通しの良い場所で保存します。
日光に当てると芽が出やすく、皮も緑になりやすいので注意しましょう。
長期保存には凍らないような低温で発芽を防ぐと長持ちさせることができます。
ジャガイモの保存の時にリンゴと一緒においておくとリンゴの出すエチレンによってジャガイモの芽の生長が抑えられます。
じゃがいも栽培、育て方のまとめ
- ジャガイモは弱酸性土壌を好むので、石灰肥料を入れすぎない
- ジャガイモはナス科なので、トマト、ピーマン、ナスなどのあとには栽培しない
- 種芋は市販されている無病の種芋用のイモを使う
- ジャガイモの植え付け後、芽が10センチ程度に伸びたら芽かきをおこなう
- イモの緑化を防ぐために土寄せをおこなう
- 地上の茎葉が黄色っぽく、枯れ始めたら収穫時期、晴れの日が2‐3日続いたら収穫する
- ジャガイモの保存適温は5℃‐10℃前後で光の当らない涼しいところで保存
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