ピーマンは、調理にも使いやすく、彩りの良い野菜として知られています。
また、パプリカやシシトウなど色々な植物と仲間でもありますので、ピーマンの育て方を会得すれば、そういった植物の栽培にも応用することができます。
同じナス科の植物というと、ナスやトマトが挙げられますが、南アメリカの熱帯地域を原産とするピーマンは、ナスやトマトと比べても特に高温・乾燥を好みます。
逆を返せば、低温を嫌うということです。
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ピーマンの種まきから植え付け
ピーマンの種まき
熱帯原産のピーマンは低温に弱く、苗作りには一定の温度と時間が必要です。
ピーマンの種のまき方
セルトレイを用意して、1粒ずつ種をまきます。
ピーマンは発芽温度が高く時間もかかります。
ピーマンの発芽適温は25℃-30℃です。
発芽までに室内の日の当る場所に置いたり、ビニールトンネルにいれるなどの温度を上げる工夫が必要です。
本葉が2-3枚になったらポットに鉢上げします。
ピーマンの植え付け
ピーマンの苗はじっくり育ててから植えつけます。
ピーマンの苗を購入する場合は大苗のほうが早く収穫できます。
ピーマンのいい苗のポイント
- 葉は厚みがあり色鮮やかで艶がある
- 節間が短めで茎がしっかりしている
- 根が白く生き生きとしている
- 病害虫が発生していない
- 葉が委縮していない
- 双葉がしっかり残っている
がっしりした丈夫なピーマン苗を選んで畑に植え付けます。
根鉢を崩さないようにポットから苗を抜きます。
植え穴を掘り、根鉢の上面とうねの高さが同じになるように植えます。
深植えはしないようにしましょう。
うね幅は約60センチ、株間は約45センチです。
ピーマンの畑の準備
植えつけの2週間前に苦土石灰を1平方メートル当たり150gまいてよく耕します。
植えつけ前に1平方メートル当たり堆肥3kgと化成肥料150gをまいてよく混ぜ込みます。
ピーマンはナス科なので前の年にピーマンだけでなく、ナス科のトマトやジャガイモ、ナスなどを栽培した場所では連作障害でうまく育たないことがあります。
植えた後は水をたっぷりかけます。
ピーマンの根は地表から比較的浅い所に張っていくのでその分乾燥の影響を受けやすい作物です。
晴れの日が続くようなら頻繁に水やりをしましょう。
ピーマンの生育適温は20℃~30℃です。
ピーマンの定植後の管理
ピーマンの芽かき
ピーマンを植えつけて、高さが40cmくらいまで成長すると花が咲き始め、実がなり始めます。
1番花より下のわき芽はすべて取り除きます。
最初の実は早いうちにとり、下部の葉のわきから伸びている芽はすべてかきとります。
ピーマンの支柱立て・整枝
ピーマンの1番花より下のわき芽を摘んだら本支柱を立てます。
長さ1mほどの支柱を立て、側枝の1本と支柱を8の字にひもで結びます。
成長が進むとピーマンの枝自体や実の重みで枝が垂れてくるので追加の支柱をたてて枝を支えます。
うまく誘引して背丈を伸ばせば11月頃まで収穫することもできます。
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ピーマンの収穫
一般的なピーマンは開花から15日‐20日、長さ6‐7センチが収穫適期です。
実と枝をつなぐ果柄の枝側のつけ根をはさみで切って収穫しましょう。
ピーマンの実がたくさんついているときは若いうちに収穫します。
実が必要以上に大きくなってしまうのは、株が疲れる原因となり、結果的に良い収穫量を得ることができなくなってしまいます。
なるべく、適期を見誤らずに、若いうちに収穫をしてください。
ピーマンをたくさん収穫するコツ
ピーマンは野菜の中でも特にデリケートな植物です。
まず、ピーマンの葉っぱをみてみてください。
ピーマンの葉には、水をはじくという特徴があります。
これは、ピーマンが葉からの水分吸収を拒んでいることの現れで、葉が雨に濡れると、細菌に侵されやすくなり病気にかかりやすいのです。
そのため、水やりの場合にも葉の上に水が当たらないように、根元の土に水をあげるようなイメージで行うことが必要です。
また、ピーマンの茎は脆いため風の被害を受けやすいです。
そのため、支柱なども準備しておくことが大切です。
ピーマンは、植え付けるとすぐに花を咲かせます。
しかし、この時、1番目と2番目に咲いた花に関しては必ず摘み取ります。
この花を残し実を結んでしまうと、まだ根が成長段階の途中であるのに対し実に優先して栄養分を送り出してしまうためです。
そうすると、葉や茎なども生育が悪くなりピーマンの収穫が出来なくなってしまいます。初めて育てる方の気持ちとすれば、最初に咲いた花だから…という気持ちも分かりますが、摘み取りましょう。
基本的に咲いた花には必ず実を付けます。
そのため、咲いた花を適度に制御していかなければ小さな実がたくさんできてしまうことになります。
ピーマンの収穫1個に対し、その収穫した節から出始めた脇芽を摘み取るようにしていくと、適度な花数に抑えることができ、ピーマンの樹形も綺麗に保つことが出来ます。
パプリカはピーマンよりも大きく肉厚であることも知られていますが、これらは元々ピーマンが完熟したものです。
通常、私たちの食べているピーマンも緑の内に収穫しなければ、黄色や赤などのカラフルな色へ変化していき、味にも変化があります。
家庭菜園ではこういった楽しみ方も自由に行うことができるので、少し熟させて、黄色いピーマンとして収穫するのもお勧めです。
また、最近では茶色や白・黒・紫などのピーマンも良く見かけます。
スーパーなどではまだまだ珍しいかと思いますが、園芸店などでは、こういったカラフルなピーマンの苗も販売されていますよ。
ピーマンの育て方のまとめ
ピーマン、トウガラシの苗の植え付けは適期、適温に注意すること
高温性のピーマン、トウガラシの生育には気温が必要です。
温度で言えば、28℃‐30℃ほどの温度が必要となりますので、充分に暖かくなった頃に植え付けを行います。
植え付け後、低温の状態が続くと生育が悪くなってしまいますので、適期、適温を守ることが非常に大切です。
関東地方での苗の植え付けは、ゴールデンウィーク明けが良いです。
植え付け後は、地温を高める効果のある透明マルチや、黒色マルチをして、充分に根が育つ環境をつくるようにしてください。
適期より前に購入してしまった小さい苗はどうする?
植え付け適期と苗が市販される時期が必ずしも同じとは限らないため、店頭で購入した苗が、とても小さく、まだ植え付けまでに時間が要することもあります。
そういった苗は購入しないのが1番と言えますが、既に購入してしまった場合は、二回りほど大きめの鉢に移し替えて、再度、育苗期間を設けるようにすると良いでしょう。
暖かい場所にて再育苗すれば、ゴールデンウィーク明けなど、植え付けの適期までに、充分な大きさを保つことができます。
尚、この時はポットの苗の扱いに充分気をつけ、根鉢が崩れないようにしてください。
ピーマンは若いうちに収穫することで、株を長持ちさせる
ピーマンの収穫の目安は、開花後15日‐20日ほどです。
実の大きさとしては、約7センチほどになりますので、収穫適期を逃さないようにしてください。
収穫は、ハサミを使用して行います。
へたのすぐ上あたりをカットするようにして、実をとっていきます。
実が必要以上に大きくなってしまうのは、株が疲れる原因となり、結果的に良い収穫量を得ることができなくなってしまいます。
なるべく、適期を見誤らずに、若いうちに収穫をしてください。
高温性で高い気温の必要となるピーマンも、充分に生長した段階は、低温に対してもある程度の抵抗力がありますから、10月終わり頃までは、収穫を楽しむことができます。
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