園芸療法という言葉を御存知ですか?
園芸療法とは、その名前の通り園芸作業が精神的な病を抱える
患者さんの回復に役立つという事をさします。
この考え方は1880年台のアメリカで確立しました。
フィラデルフィアにあるとある病院にて、外で植物を育てる行為が
治療になるのでは?と考えられたのです。
20世紀半ばとなると、ベトナム戦争や第二次大戦が起こりました。
帰還した軍人の中には精神的なショックを抱えた人も多かったと
言われています。
その時に使われたのがこの園芸療法です。
軍人たちの精神的なリハビリとして取り入れられていったのです。
それ以降、園芸療法というものは認知度を高めていき、
現在は独自のプログラムを行う、園芸療法を取り入れた施設も
増えてきたのだといいます。
しかし、日本で園芸療法が一般的に使われるようになったのは
もっとずっと後の事になります。
20世紀前半頃から園芸療法を取り入れるところもあったようですが、
あまり積極的に取り入れられてはなかったみたいです。
しかし、現在の日本で言えば多くの施設に園芸療法が取り入れられています。
特に精神疾患患者を収容している施設では70%以上の施設が
この園芸療法を取り入れ、その効果を実感しているのだそうです。
では、何故ガーデニングが療法として効果を発揮するのでしょうか?
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園芸は五感をふんだんに使う作業だと言われています。
植物のお手入れ、植物を育っていく経緯、収穫をみることで
人は、色々な感覚を研ぎ澄ましていきます。
また、あまり外に出る機会のなかった方や出たくないという人も
外に出るきっかけとして園芸が使われ、体も丈夫になり、
心も元気になるきっかけとなっていくのです。
また、植物の持つ匂いも効果の1つです。
嗅覚を刺激され、心が穏やかになっていくのだそうです。
これは、研究結果に基いています。
京都工芸繊維大大学院の中島助教授による実験によって
植物の匂いの作用に関することが分かりました。
ラットの手足を縛り、ストレスを与え副腎皮質ホルモンを増加させた後
青葉アルコールと青葉アルデヒド混合液を30分かがせる実験です。
この間もラットは拘束されたままだったのですが、
匂いを嗅ぐ前と後では副腎皮質ホルモンの量が半減したんだそうです。
この事からも分かるように植物の匂いには心を落ち着ける効果が
あるのです。アロマテラピーが流行していることからも匂いに
効果があることは明白です。
心があまり落ち着かない時、ストレスを抱えている時、
そういった時は何か植物を育て始めてみると良いかも知れません。
1連の作業の中で、色々な感覚が開放されていき、
また今までのような生活を取り戻すことが出来るかも知れません。
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